2007年10月20日

何故今台湾製工作機械なのか

台湾製工作機械に付いて当社社長が感想を述べた記事です。

世界1物1価という言葉があります。経済ボ−ダレス時代の考え方です。世界は急速にこの時代に向かって否応無く突進しています。

バブル以前日本の中小企業の経営は国内の循環だけで「起承転結」していたと言えます。買価は高くても高く売れる環境が有りました。為替が安いうちは十分世界にも対応出来たのです。現在その反動で私たち日本の零細製造業者は世界で一番苦しんでいるのではないでしょうか?

先日もトヨタが更に2割のコストダウン要求していると聞きました。私たち金型業者は反発、失望、従順と悲喜交々ですが「世界を知るトヨタなら当然言うこと」と考えます。

金額は世界1でも 韓国現代自動車やサムソンの利益率で負けているトヨタには危機感があると思うのです。あのトヨタでさえ来るべき時代に万全ではないと言う事でしょう?


金型製造業」は往時の「品質日本」を支え順風満帆の時もありましたが、東南アジア価格の2倍以上となっている事もこれまた事実です。海外グローバル化を果たした日本大手メーカーがこれを見落とす訳は無く、水の流れる如く低い価格へと移り二度と戻る事は有りませんでした。

日本の大手企業が軒並み最高決算が報道され「絶好調」と言われますが我々零細には全く実感は有りません。大手メーカーはアジアの子会社に支えられ連結好調なだけで国内で利益を出しているとは思えません。未だに十分な仕事が零細にない事は深刻に受け止めないといけません。この状態で景気後退が始まったらと思うとおちおち眠れないと言うのが実他です。

中小の時代と言われ「明るい」と言う人もいますがこれから日本の零細は変れるのでしょうか?皆生き残れるのでしょうか?

私は答える立場に無いです。ただ個々の方針や考え方が将来を左右する。つまり決まった成功パターンは無いと思うのです。

私個人は遅まきながら この時代変化に気付いてからは「日本の中の東南アジアの会社」を目指そうと動き出したのです。それ迄やってきた合理化や開発技術の磨き上げでは限界が有ります。僅かの利益の中から購入する高い設備投資の壁が立ちはだかるのを感じていました。

先行する同業者やプレス屋さんの工場を見ると「技術の高さ」もそうですが「膨大な設備投資に」驚き、もしこの仕事が中国へでも流れたらと、人事ながら心配になるのです。その様な時、台湾製NC工作機械と出会ったのです。


日本は高度の製造技術があると言われ諸外国も認めるところです。台湾製工作機械で顧客の理解や品質が保てるのでしょうか?台湾工作機械の現状をお聞かせください。

超硬工具、大量3次元データー、高速軽切削送り、時代の先端技術とピッタリ照準が合っていました。かつて日本株式会社と言われた日本の産業界と台湾政府の政策は全く似ています。更に積極的とも言えます。

部品業界の台中への集中 さながらスイスの時計業界のような分業体制は品質と価格競争を激化させ日本とさほど変らぬ人件費の中「日本製の半額」で生産しています。安かろう悪かろうでは説明できない事も多いです。

私は過去30台に及ぶMC購入経験からMCを見る目は自信が有りました。ある台湾機械メーカーでイタリアのデ−ラーと立ち話をした時「7年前から台湾の機械は変った 以後此処から買っている」と 先見眼のある人は世界中にいると感じました。そして今この台湾に集まっている。そして私は大分遅れたと思いました。

当社は2年程前から台湾製MCを3台導入しました。そして「要は安く品質の問題が無い製品を造れるならば逆宣伝になる」つまり「安いのも、納期が早い(1台分で2台買える)のも台湾製機械ならではです。」と言うと顧客は妙に納得するのです。

それに当社は最新の高速NCのついた台湾製MC 他社は日本製とはいえ20年も前の機械が大勢 全く負ける気はしません。もっと古い工作機械が主力の大手メーカーの金型部門というのが現状なのです。今年は更に4台増設予定です。


最近のユ−ザ−は工作機械を財産と見なくなりました。償却計算もプレスや成型機と同じ様に定期交換と言う考え方が浸透しはじめました。5年で償却7年で更新と言うように

私はMCや一般の工作機械は「マザーマシン」では無く「生産機械」と思っています。だから「ブランド」で機械を選ぶ時代は終わった。その分「プロの見る眼」が要ると思うのです。ブランドのメーカ−だけが技術的ヒットを打てる程甘い時代ではない と思います。

次の新しいトレンドは台湾から発信される可能性だってあります。現にM社から今年発売で人気機種とそっくりな機械は台湾製で2年前から存在します。もう工作機械伝説の崩壊はすぐそこかもしれないのです。

我々は真に自分(受注した仕事)に必要な機械が何かを考えて機械導入すべきと思い実行しました。工作機械は飾りではなく使って何ぼと思うからです。ユ−ザーの力量がより問われるのではないでしょうか?


台湾製工作機械のレベルは高いのでしょうか?日本製との違いは無いのでしょうか?台湾製を検討中のユ−ザ−に参考等をお聞かせください。

日本製と台湾製が同じとは思いません。台湾メーカーが同じと思った時は同じ価格になるでしょう。それが華人のやり方ですから。大きな違いは信頼性と重切削ですそれと経験。知識は逆かもしれないと思う事もあります。

品質の「ばらつき」差は有ると思います。現場の人の質はなかなか変わるものではないですから、ユ−ザ−が少しは修理する位の覚悟は必要です。逆に修理能力は今の日本では必須と思っています(あまりに修理代が高い)。

機械能力で一番難しく結果の出にくいのが耐久力と重切削です。耐久力は2年では解らないと言って置きます。重切削はいずれ肩を並べるでしょう。スタッフ関係のレベルはこれから日本はどんどん負けます。

日本の古い設計者の怠慢と自信過剰、PC解析技術の台頭が原因です。材料、熱処理の違いは暫らく続くでしょう。日本でさえ未だ欧米に勝てない分野でもあります。

纏めて言えば「機械は優しく注意して使う」「故障オたら小さい内にすぐ直す」です。つまり使う人の心もちで成否が決まるのです。もう一つ「修理は人任せにせず作業者がやる」です。これで無茶な作業は無くなるのです。

経営者は「安い」が良いに決まっています。しかし作業者は「面倒な事」が厭です。経営者は説得する義務があります。高度成長前の日本では何処でもやっていた事です。何時の間にか直す人、使う人が分かれてしまったのです。

製品不良の対策までメーカ−に押し付けたい顧客は台湾製を買うべきでは有りません。日本製の機械が高価な一因でもあります。トラブル状況を調べもせず「すぐ来い」などと言う顧客も今の時代糟自殺行為とも思うのです。保障期間は1年しかないのですから。私はあれもこれも紙一重と表現しています。

台湾製と一口では括れないと思います。私の目安はシンガポ−ルでの販売量です。
零細ユ−ザ−の「ランチカンファレンス」は有名です。台湾メーカ−はまずこの市場で洗礼を受けるようです。M社のシンガポ−ル製との比較もできる環境です。

故障率や耐久性等、評判でしか解らないことが多いのも工作機械選定の難しさです。


日本製工作機械メーカ−に提言は有りますか?

これも言う立場にありません。ただ「安田工業」の様な会社は日本ならではと思うのです。買える顧客が居るというのは頼もしい事です。台湾機械関係者には目標と言うより「尊敬」の対象となっていると思います。

もう一つ技術コンサルティング能力を持つメーカ−の必要性です。今日本の製造業は大手までも足元を見る余裕が無い。従って未熟生産技術の補間者が求められています。台湾メーカ−にはその余裕は無いのは明らかです。

結局、日本には技術に自信のあるユ−ザ−とメーカ−頼みのユ−ザ−が有り、後者は日本製を買うべきでしょう。

つまり今後台湾製工作機械を買う一定のユ−ザ−層が出て来るのだと思います。トヨタのお膝元日本で外車が一定量売れているのと同様糟大人の対応が肝要と思います。
posted by バレイテックス at 18:28| 愛知 霧| Comment(0) | TrackBack(0) | 台湾製工作機械のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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